ここではメキシコで聞かれるスペイン語のことわざ・名言・言い回しを22ほどご紹介いたします。意味を説明しますので、文の作り方や語彙を増やすなど、言い回しの楽しさを見るだけでなく、勉強の材料としても活用してもらえるとうれしいです!
もくじ
スペイン語のことわざ・名言
El buen juez por su casa empieza.
直訳:良い裁判官は自分の家あたりから始める。
El buen juez empieza por su casa. とした方がわかりやすくなりますね。
「buen」は「bueno(良い)」の「o」が、男性名詞「juez(裁判官)」の前ではずれています。
人にあれをしろ、これをしろ、と言う人に限って、自分自身ができていなかったりします。
人にいろいろ指図する前に自分のことをちゃんとしろ、という意味ですね。
日本のことわざだったら、「目くそ鼻くそを笑う」とか、「人の一寸我が一尺」かな。
「人のふり見て我がふり直せ」かな。
El que a buen árbol se arrima, buena sombra le cobija.
直訳:良い木に寄り掛かる人は、良い木陰に覆われる。
これも、El que se arrima a buen árbol, buena sombra le cobija.と置き換えるとわかりやすいと思います。
良い人と付き合えば、良い影響を受ける、という意味です。
Agua que no has de beber, déjala correr.
直訳:飲むべきでない水は流れるままにしておけ。
「has de 動詞の原形」で「君は~すべきでない」という意味です。「déjala」は「それ(水)をそのままにしておけ」という命令形です。
自分に関係のないことには関与するな、という意味です。
De lo perdido, lo que aparezca.
直訳:無くなったと思ってたものが出てきたのならそれで良しとしなきゃ
これは不完全な文ですが、完全な文にするとすれば、「Si ya lo habías perdido, lo que aparezca es la ganancia」という感じになります。
出てきたものが完璧ではなかったとしても、それで満足するべきじゃない?ないよりはましなのだから、という意味です。
Tiene cola que le pisen.
直訳:踏んづけられるしっぽがある。
誰かが、バレたら困る秘密を持っている、という時に使います。
Las paredes oyen.
直訳:壁は聞く。
日本のことわざの「壁に耳あり障子に目あり」と同じですね。「人に聞かれるかもしれないから要注意」という意味です。
Dime con quién andas y te diré quién eres.
直訳:君が誰と付き合ってるか言ってくれたら、君が誰かを言ってあげるよ。
「Dime」は「私に言って」という意味の命令形です。「te diré」は「私は君に言うでしょう」という未来形です。
日本のことわざで、「牛は牛連れ、馬は馬連れ」や「類は友を呼ぶ」と同じですね。
Mucho ayuda el que no estorba.
直訳:邪魔しない人は大いに手伝っている。
「El que no estorba ayuda mucho」と言った方がわかりやすいと思います。
どいた方がいい、余計なことに顔を突っ込まない方がいいという意味です。
Aunque la mona se vista de seda, mona se queda.
直訳:サルが絹を身に付けてもサルのまま。
再帰動詞が2種類入っています。
日本のことわざだと、「豚に真珠」とか「猫に小判」とかですね。値打ちのあるものを与えても意味がないことのたとえです。
El comal le dijo a la olla.
直訳:メキシコの主食のトルティージャを焼く調理器具・コマルが鍋に言った。
自分のことを棚に上げて人に悪口を言っている、という意味です。この言葉はメキシコの有名な歌い手「クリクリ」の「コマルと鍋」という歌の中に出てくる文です。コマルと鍋の、まるで年配の夫婦の大喧嘩みたいな内容の歌詞で、お互いに似た者同士なのに、口汚く罵り合います。とはいえ、動揺なので、子どもたちに非常に愛されている曲です。
調理器具・コマルのことを知りたい場合や、夫婦喧嘩の歌を聞いてみたい方は下のリンクをクリックしてみてください。
La barriga llena, el corazón contento.
直訳:腹を満たせば心はハッピー。
直訳のままでいいですね。人はお腹いっぱいになると幸せな気分になりますよね。
お腹のことは「el estómago」とも言って、こちらの方がよく使います。
En el pecado lleva la penitencia.
直訳:罪の中に苦行を携行する。
何か悪い事をしたから罰が当たったんだよ、という意味で使います。
Hijo de tigre, pintito.
直訳:虎の子もまだら。
「pintito」は「pinto(まだら)」に縮小語尾が添えられている形です。小さな虎だからです。
日本のことわざで似ているのは「蛙の子は蛙」や「瓜のつるになすびはならぬ」です。虎の子どもは親と同じまだら模様がある、ということで、親子がそっくりなときに使われます。良い意味で使ったりもするので、「蛙の子は蛙」と少しニュアンスが違うかもしれません。
De tal palo, tal astilla.
直訳:この棒からはこの木片。
これも、上の「Hijo de tigre, pintito」と同じような意味です。親と子が何かで似ている、と言いたいときに使われます。いい意味でも悪い意味でも使われます。
日本のことわざでは、「この親にしてこの子あり」などもありますね。
La ociosidad es la madre de todos los vicios.
直訳:ものぐさはすべての悪習の母である。
ものぐさは、すべての悪習の源(始まり)である、という意味です。
死に関する言い回し
No tengo ni en qué caerme muerto.
直訳:私は死ぬ場所すらない。
主語が例えば「彼は」だったら、「No tiene ni en qué caerse muerto」となります。バタンと死ぬとき、お金があればベッドの上で死ぬこともできるけれど、家も持ち物もなく、今死んだら野垂れ死にだ、という状況を意味しています。とても貧乏だ、ということです。
Ya está más p’allá que p’acá.
直訳:もう、こっちより、もっとあっちよりだ。
あっちというのは死の世界で、こっちは現世です。つまり、もう死にそうだ、という意味です。
こんな言い回しも
Lo metieron al bote.
直訳:彼はドラム缶に入れられた。
「bote」というのがドラム缶などのことで、「el bote de basura」と言えば「ゴミ入れ」という意味ですが、「Lo metieron al bote」とは、「彼は刑務所に入れられた」という意味になります。メキシコらしい言い方だと思います。
Ya me cayó el veinte. No me cayó el veinte.
直訳:もう、20センタボが私に落ちた。 私に20センタボが落ちなかった。
どういう意味だと思いますか?「Ya me cayó el veinte」は「私はわかった!」という意味で、「No me cayó el veinte」は「私はわからなかった」という意味です。
一昔前、携帯電話なんてなかった時代、人々は外出したときに公衆電話を使いました。日本でも、テレフォンカードが出てくる前に、10円玉を入れて電話をかけたりしていました。
メキシコでは20センタボのコインを入れて公衆電話で通話していました。それで、その20センタボのコインは、電話機に入れたあと、通話がつながると落ちたのですね。
そこから、話の内容がわからなかったのが、わかるようになったときに「Ya me cayó el 20」と言うようになったのです。
それからインフレが激しくなり、1ペソ以下のセンタボがなくなり、公衆電話に入れるお金は5ペソから100ペソまでにもなって、その後、プリペイドカードが導入されるようになりました。それが1980年代終わりごろの話です。
今は携帯電話が普及して、公衆電話を使うこともほとんどなくなっています。メキシコの若い人たちも、「もうわかった」とか「わからなかった」という表現にどうして「Ya me cayó el veinte」や「No me cayó el veinte」という言い回しを使うのか、知らない人が沢山いると思います。
機会があったら、メキシコ人に、この表現の由来を教えてあげてください。
Como perros y gatos.
直訳:犬や猫のよう。
日本では「犬猿の仲」という言葉があって、犬と猿ですが、スペイン語では犬と猫です。犬と猫のようにいつも喧嘩ばかりしている、という意味です。
Dile a tu mamá que te dé un tenmeacá.
直訳:お母さんにテンメアカをもらえるように言いなさい。
「Dile」というのは「彼女(彼)に言いなさい」という命令形です。お母さん(tu mamá)の部分はおばあさん(tu abuelita)などに変えることができます。
大人が子どもを追い払いたいときに言うセリフです。「tenmeacá(テンメアカ)」という言葉は存在しません。でも、「Tenme acá(テンメ アカ)」という文は「私をこっちに置いておいて」という意味です。子どもはその文をひっつけて言われると、何か「テンメアカ」というおいしいものか面白いものがあるのかと思って、その場を離れるわけです。
昔はビデオゲームなど、子どもの気を逸らせておくものがあまりなかったので、大人にまとわりついて、こんなセリフを言われたりしていたのでしょう。こういう言葉はだんだん消えていってしまうかもしれませんね。悲しいです。
Ve a ver si ya puso la totola.
直訳:七面鳥の雌がもう卵を産んだか見に行ってきなさい。
こちらも上の「テンメアカ」の文と同じように、まとわりついている子どもを追い払うときに言うセリフです。
鳥を飼っていなくても使うとのことです。「あっち行きなさい」とダイレクトに言うより、こういう言い方をした方がやんわりしているのかもしれません。昔は本当に七面鳥を飼っていたのでしょうけれど。
スペイン語のことわざ・名言・言い回し・まとめ
メキシコでよく聞かれたスペイン語のことわざや名言、言い回しを22個ほどご紹介しました。
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こちらのスペイン語の詩は全部点過去形と普通の現在形だけです。メキシコのオトミ族の詩です。
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