ここでは、「~のようですね」というニュアンスの、知覚動詞+que で「意見」、「思うところ」を相手に示すスペイン語の表現の仕方他、知覚動詞の構文をご紹介します。
もくじ
知覚動詞+que ~
知覚動詞とは、ver(見る)、oír(聞く)、sentir(感じる)などの五感を表す動詞です。その動詞の後ろに que が来て、その後ろに従属節を伴って、知覚動詞の主語となる人の意見、思うところを相手に表すことができます。五感を通しての気づきを相手に対して表明、伝えることなので、第一人称が主語であることが多いです。
例えば、日本語で言うと、このようなニュアンスの違いです。
①「もう君はとても上手に踊れる」
②「もう君はとても上手に踊れるようだ」
同じようですが、②の文の方が、「踊っているのを見て、そういう印象を持った」という時に使われる感じですよね。
①の文の方がもっと多くの状況で使える感じです。例えば、「もう何年も踊りを習っているのだから上手なはず」と想像を働かせて言うときなど。
「知覚動詞+que ~」を使って、このようなニュアンスで相手に自分の思うことを伝えることができます。
Veo que ya sabes bailar muy bien. | もう君はとても上手に踊れるようですね。(見てわかる) |
Vi que ellos estaban contentos. | 彼らは満足していたようでした。(私は見ました) |
Siento que cada día te extraño más. | 私は日に日にあなたを恋しく思うようです。(そう感じます) |
He oído que Maru se ha casado con Juan. | マルはフアンと結婚したようです。(そう聞いています) |
主節が肯定文の場合は従属節は直説法です。
No 知覚動詞+ que ~
知覚動詞が入った主節が否定文になっている場合は、通常従属節の動詞は接続法になります。
No veo que estés estudiando. | 君は勉強しているようには見えませんね。 |
No vi que ustedes estuvieran contentos. | あなた方が満足していたようには見えませんでした。 |
No siento que me quieras ayudar. | 君が私を手伝いたいようには感じられません。 |
No oímos que mis vecinos nos estén llamando. | 私の隣人たちが私たちを呼んでいるようには思えません。 |
知覚動詞の主語がお相手の場合の否定文
「知覚動詞が入った主節が否定文になっている場合は、従属節の動詞は接続法になります」と上記で言いましたが、主節が否定文でも、知覚動詞の主語がお相手の場合は、従属節の動詞は直説法になります。この場合は相手に伝えたいことが従属節にありますね。相手の五感を通して、気づいてもらいたい(たかった)時に言うフレーズです。
¿No ves que tengo cosas que hacer ahorita? | 君は私が今やることがあるってわからない? |
¿No viste que ya no había nadie? | もう誰もいなかったって気が付かなかった? |
¿No sientes que siempre te he apoyado? | いつも私は君を支えてきたってわからない? |
No oye usted que lo están llamando, ¿verdad? | あなたを彼らが呼んでいるのをあなたは聞こえないですね? |
知覚動詞+動詞の原形、知覚動詞+現在分詞
知覚動詞+que ではなくて、知覚動詞+動詞の原形(不定詞)や知覚動詞+現在分詞 という文があります。これは多くの場合、目的語の人称が不定詞や現在分詞のアクションを行っているのを、知覚動詞の主語が見たり、聞いたりする(した)という意味になります。sentir は使われることがほとんどないので、例文を挙げませんでした。
動詞の原形の場合と、現在分詞とは、だいたい同じような意味ですが、現在分詞の方が「動き」のニュアンスが加わっている感じです。
Lo vi caminando enfrente del parque. | 私は彼が公園の前を歩いているのを見ました。 |
Mi suegra la vio entrar. | 私の義母は、彼女が入るのを見ました。 |
Lo oí decir eso. (Le oí decir eso. と言う場合もあります) | 私は彼がそれを言うのを聞きました。 |
Oigo cantar a los pájaros en las mañanas. | 私は午前中、鳥たちがさえずるのを聞きます。 |
知覚動詞+形容詞/過去分詞
知覚動詞+形容詞という用法もあります。また、過去分詞は形容詞としても使われるので、知覚動詞+過去分詞 という構文もあります。こちらも、目的語がある場合は目的語の人称が形容詞/過去分詞の状態であるのを知覚動詞の主語が見たり感じたりする(した)ということを伝えることができます。bien/mal が使われることもあります。「聞く」の場合は、目的語の人や物の「声」や「音」がどのように、知覚動詞の主語によって聞こえたかを伝えることができます。目的語がない場合は、知覚動詞の主語が形容詞などの状態であるということです。
La veo tranquila. | 彼女は落ち着いているように見えるね。 |
Lo vi sentado. | 私は彼が座っているのを見ました。 |
Lo sentí calientito. | 私は彼(それ)が温かいのを感じました。 |
Me acerqué a mi papá y lo oí muy bien. | 私は父に近づいて、そして彼の声がとてもよく聞こえました。 |
スペイン語の知覚動詞を使った表現・まとめ
知覚動詞+que ~という表現や、知覚動詞+動詞の原形(不定詞)、知覚動詞+現在分詞、知覚動詞+形容詞(過去分詞)などについてご紹介しました。言葉っておもしろいと思いませんか?!
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