174. スペイン語の冠詞のルール・定冠詞、不定冠詞、無冠詞の使い分け

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ここでは、スペイン語の冠詞のルールについて解説しています。冠詞とは、名詞の前に付いている言葉で、名詞の性や数によって変わります(中性もありますが)。日本語にはない言葉なので理解しにくいですが、英語のthe や a, an, some と言えばイメージが付きやすいかもしれません。

 

冠詞の種類

スペイン語の冠詞には以下の種類があります。

 

男性単数 女性単数 男性複数 女性複数
定冠詞 el la los las
不定冠詞 un una unos unas

※女性単数形であっても語頭が「a」か「ha」でかつ、語頭にアクセントが来る言葉は言いやすさのため、男性単数の冠詞 を使う言葉があります(el aguaー水, el hambreー空腹, el hachaー斧、など)←すべて女性名詞です。

 

 

中性冠詞 lo

冠詞としての「lo」は名詞の前に付くのではなく、形容詞の前に付きますが、冠詞の lo と組み合わさることで名詞(~のこと)となります。

 

尚、名詞には冠詞が付かない場合があります(無冠詞)。

 

無冠詞(冠詞の有無)

 

計測の単位を付ける場合や、特定のもの、形容詞が付くなど修飾されている場合でない限りは、数えられないものには基本的に冠詞を付けません。

Quiero pan, por favor. 私はパンが欲しいです。
Quiero un pedazo de pan. 私は一片のパンが欲しいです。
No me gustó el pan que comí anoche. 昨夜私が食べたパンは好きではなかった。
Es un pan muy sabroso. とてもおいしいパンです。

 

二番目の例文は量の単位が付いています。三番目の例文は特定のパンですね。四番目の例文はパンが修飾されています。

あれ?パンって一個二個って数えられるんじゃないの?って思いますよね?画像のパンは bolillo という名前です。一つ欲しい場合は un bolillo です。菓子パンにもそれぞれ名前が付いています。例えばクロワッサンは cuerno と言います。一つのクロワッサンが欲しい場合は un cuerno と言います。

 

pan というのはすべてのパンの総称のことです。昔からパンは分け合って食べられていました。ちぎったパンのかけらはun pedazo de pan と言います。「小麦をこねて焼いたもの」ということで、数えられないもののうちに入るのですね。昔はもっと大きなパンだったのでしょう。

 

 

Quiero tomar leche. 私は牛乳を飲みたい。
Quiero tomar un vaso de leche. 私は一杯の牛乳を飲みたい。
Tomé la leche que había comprado el día anterior. 私は前日に買ってあった牛乳を飲んだ。
Me dieron una leche horrible. 私はひどい牛乳をもらいました。

 

牛乳が数えられないものであるのはわかりやすいですね。一番目の例文は冠詞がついていません。二番目の例文は「コップ一杯の」という量を表す単位と言えるものが入っています。三番目の例文は特定の牛乳を表現しています。四番目の牛乳には形容詞が付いているので冠詞が付いています。

 

 

ビールは cerveza で数えられないので Compro cerveza. (私はビールを買います)と冠詞なしで言いますが、Quiero una cerveza.(私はビールが欲しい)と冠詞付きで言うこともあります。ルールからはみ出している場合もあるという例ですね。

 

Necesito dinero. 私はお金が必要です。
Me trajeron una bolsa de dinero. 私に彼らは一袋のお金を持ってきました。
Mi vecino me prestó un dinero, pero ya lo devolví. 隣人は私にあるお金を貸してくれたけどもうそれを返しました
Es un dinero prestado. 借りているお金です。

 

硬貨のことを moneda と言い、これは数えられます。お札は billete と言い、これも数えられます。お金という意味の dinero は総称で、数えられない名詞となっています。

 

一番上の例文には冠詞がありません。二番目の例文には「一袋の」という計測の単位が入っていて、この単位には冠詞が入ってもokですね。三番目の例文は特定のお金のことを言っています。不定冠詞が使われる時もあります。四番目の例文は形容詞が付いているので冠詞が付いています。

 

また、複数の名詞で、その数やタイプなどは、興味の対象でない場合、冠詞を付けません。

Ahi venden flores. そこでは花を売っています。
Hago pasteles para vender en el mercado. 私はマーケットで売るためケーキを作ります。
Compré libros usados. 私は中古の本を買いました。

 

 

何の職業かを言う場合も冠詞は普通は付きません。(「誰々の秘書」など、特定の職業を言う場合などには定冠詞が付きます。形容詞が伴う場合は不定冠詞が付きます。)

Soy escritor. 私はライター(男性)です。

 

誰かの国籍を言う場合も冠詞は付きません。(形容詞が伴う場合は不定冠詞が付きます)

Él es inglés. 彼はイギリス人です。

 

会話相手の敬称には冠詞は付きません。(第三者の敬称には定冠詞が付きます)

Sr. Mendoza, ¿cómo está usted? メンドーサさん、お元気ですか?

 

今日は~曜日、明後日は~曜日、と言う時は冠詞は付きません。(通常、曜日には定冠詞が付きます)

Hoy es sábado. 今日は土曜日です。

 

何を勉強するかを言っている場合、科目や学部の名前には冠詞は付きません。

Estudio física. 私は物理学を勉強しています。

 

動詞hablar, estudiar, enseñar, aprender, practicar の後(en の後の場合も)の言語には冠詞は付きません。

Me gusta hablar español. 私はスペイン語を話すのが好きです

 

苗字ではなく名前に付く敬称DonとDoña には冠詞は付きません。(第三者のことを話していても付きません)

Don Pedro nos invitó a su casa. ペドロさんは私たちを彼の家に招きました

 

国の名前や市の名前には特に意味を持たせたい時以外は冠詞は付きません。(冠詞が付く国名や地名はあります)

Tokio 東京

 

無冠詞の熟語の場合はそのまま覚えてください。

Pido disculpas. 私は謝罪を求めます(ごめんなさい)。
Pide permiso. 許可を求めて(命令形)。(彼は)許可を求める(現在形)。

 

 

交通手段で前置詞en の後は冠詞が付かないことが多いです。

Fuimos en taxi. 私たちはタクシーで行きました。

 

 

スペイン語の定冠詞

スペイン語の定冠詞 el, la, los, las は英語の the に相当し、その物(または人)が何かすでにわかっている場合(もうすでに話に出たなど)に使います。日本語では定冠詞は「その」、「それらの」、「例の」、「すべての」などと訳すことができます。

Compré el libro que me recomendaste. 私は君が私に勧めた(その)本を買った。

 

一般的な意味で単数名詞を主語として使う場合は、話の中で初めて出てくる場合でも定冠詞を使います

El ignorante afirma, el sabio duda y reflexiona. 無知の者は肯定し、賢者は疑い、熟考する

 

第三者の苗字を言う場合、敬称に定冠詞を付けます。敬称とはSr.=Señor(男性), Sra.=Señora(既婚の女性), Srta.=Señorita(未婚の女性), Dr.=Doctor(医者), Ing.=Ingeniero(技師), Lic.=Licenciado(弁護士など文系の学士)などのことです。

La Sra. Gonzales va a venir aquí pronto. ゴンサーレス夫人はここにもうすぐ来るでしょう。

 

曜日は通常定冠詞が付きます。時間も定冠詞が付きます。

Mi cumpleaños es el viernes. 私の誕生日は金曜日です。
Son las siete en punto. 7時ぴったりです。

 

動詞traducir(翻訳する)を使う時、前置詞とともに定冠詞を使います。「~から」は「de + el = del」、「~に」は「a + el = al」です。

Traduzco del francés al japonés. 私はフランス語から日本語に翻訳します。

 

再帰動詞では体の部分や身に付ける物に定冠詞を付けます。

Me quito los zapatos. 私は靴を脱ぎます
Lávate la cara. 君は顔を洗って

 

冠詞が付く国名や地名があります。

El Salvador エルサルバドール
La Paz ラパス

 

海や川、山の名前にも定冠詞が付きます。

El Océano Pacífico 太平洋
El Río Colorado コロラド川
El Monte Fuji 富士山

 

形容詞に定冠詞を付けて名詞化(~な人、~な物)されている場合があります。

Mi maestra es la alta. 私の先生(女性)は背の高い方です。

 

 

動詞ser を使って最上級を伴った職業や国籍を言う場合に定冠詞を付けます。

Manuel es el mejor estudiante de toda la escuela. マヌエルは学校中で一番いい生徒です。
Jorge Negrete es el mexicano más famoso a nivel mundial. ホルヘ・ネグレテは世界レベルで一番有名なメキシコ人です。

 

「~はどこですか?」と言う時は定冠詞を使います。

¿Dónde está el baño? トイレはどこですか?

 

 

スペイン語の不定冠詞

スペイン語の不定冠詞、un, una, unos, unas は話の一番最初に出てくるような、物や人がまだ何かわかっていない時に使います。英語の a や an のように、「ある」や「一つの」、また複数の場合は英語の some のように「いくつかの」というように訳すことができます。

Hay una pelota en la caja. に一つのボールがあります。

動詞hay の時は必ず不定冠詞(複数の場合は無冠詞も)か数字を使います。

 

 

動詞ser で形容詞とともに職業や国籍を言う場合も不定冠詞を付けます。

Julia es una chilena muy simpática. フリアはとても感じの良いチリ人です。
Mi hermano era un científico muy sobresaliente. 私の兄弟は大変抜きんでた科学者でした。

 

 

「これは何ですか?」と聞かれた時の答えは通常不定冠詞を使います。

¿Qué es esto? Es un tornillo. これは何ですか?一つのねじです。

 

 

冠詞の lo

 

冠詞の lo は形容詞の前について「~のこと」という意味の名詞になります。

Es lo mismo si voy o no voy. 私は行っても行かなくても同じです。

 

スペイン語の冠詞・まとめ

間違えてもいいです。日本にはない概念なので難しいですよね。冠詞は難しいと思います!

定冠詞は「その」という感じ。

不定冠詞は「一つの」という感じ。

不定冠詞の複数は冠詞を付けない場合が多いです。

lo の後に形容詞が来ている場合は「~のこと」と名詞化されています。

 

 

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サイト管理人MC(めひ・ここ)プロフィール

サイト管理人MC(めひ・ここ)です。

メキシコ市にあるUNAM大学外国人コースでスペイン語を学んだあと、メトロポリタン自治大学入学、卒業後はエンジニアとしてメキシコで仕事をしました。

その間、メキシコに滞在中の日本人の方たちに長年家庭教師としてスペイン語を教えてきました。

メキシコ人の夫との間に二人の子どもがいます。

メキシコには13年間住みました。最初はメキシコが大嫌いでした。好きになるまでにずいぶんかかったかもしれません。人生回り回ってやっとスペイン語が好きなことに気が付きました。。。

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