「me gusta」の意味は「好き」です。では、活用はどうなるでしょうか?活用を直訳しながら文法を解説していきます。…というのも、このスペイン語の「me gusta」というフレーズ、日本語とちょっと違う使い方なので、難しいと感じるかもしれないからです。でも、大丈夫。ちゃんとわかるように説明していきます。
me gusta の意味は「好き」
「me gusta」の意味は「好き」です。「no me gusta」の意味は「嫌い」です。どちらもよく使われるフレーズです。
誰が好きという感情を持っているのか?というと、この場合「私」です。
何を好きなのか?というと、「me gusta」の後に来る物、または、「me gusta」の前に来る物を好きなのです。物が単数の場合に「me gusta」となり、好きな物が複数の場合は「me gustan」となります。「~することが好き」というように、他の動詞の原形が名詞の代わりにに来る場合は「me gusta」と単数扱いになります。
動詞の原形は「gustar」で、「好きである」という意味です。
この「gustar」のような動詞は活用が第三人称単数形と第三人称複数形でしか使われず(例外あり・後述)、このような動詞のことを、「間接目的語の動詞」と呼んだりしています。
なぜ、「間接目的語の動詞」と呼ばれるかというと、これらの動詞はいつも、間接目的語代名詞が伴うからです(直接目的語は必要ありません)。「me gusta」の場合「me(私に)」が間接目的語代名詞ですね。
Me gusta el café con leche. | 私は牛乳入りのコーヒーが好きです。 |
Me gusta levantarme temprano. | 私は朝早く起きるのが好きです。 |
Me gustan los tacos. | 私はタコス(複数)が好きです。 |
No me gusta comer la comida picosa. | 私は辛い食べ物を食べるのは好きではありません。 |
A mí no me gusta mucho ese vestido. | 私はその服はあまり好きではありません。 |
A mí me gusta jugar con los niños. | 私は子供たちと遊ぶのが好きです。 |
El té verde me gusta mucho a mí. | 私は緑茶がすごく好きです。 |
Ese color no me gusta. | 私はその色が嫌いです。 |
「levantarme」は再帰動詞ですね。
「A mí」は「me」と同じ意味で、この場合「私」を表しますが、強調するために使っています。「A mí」を「me」の代わりに使うことはできません。
「Me gusta el café con leche」を直訳すると、「私にとって、牛乳入りコーヒーが好きです」で、主語は「私」ではなく、「牛乳入りコーヒー」になります。
「私は~が好き」と言いたいときは、「Me gusta~」か「Me gustan~」と覚えておいてください。
例外として「Me gustas(私は君が好きだよ)」とか、「¿Te gusto?(君は私のことが好き?)」などと、「gustar」を「gustas」や「gusto」と活用させることがあります。
しかしながら、ニュアンス的に「欲する」の意味合いが濃いとはいうものの、「Te quiero(私は君が好きだよ)」や「¿Me quieres?(君は私のことが好き?)」の方がよく使われるので、基本的に「gustar」の活用は「gusta」と「gustan」だけと覚えておいて問題ないと思います。
「No me gusta mucho」の意味は「私はあまり好きではありません」です。「Me gusta mucho」の意味は「私はすごく好きです、大好きです」です。では、「大嫌い、すごく嫌い」と言いたいときは何と言うでしょうか?
その場合は「odiar(嫌悪する)」という動詞を使ってください。この動詞は普通の動詞で、規則動詞なので、「私は」が主語の時は、-ar動詞の活用変化に従って「Odio」でいいです。
me gusta の活用を直訳しながら文法解説!
さて、「gustar」などの「間接目的語の動詞」の場合、活用形が5つではなくて、2つだけ(gusta と gustan)なので、覚えるのが簡単かと思いきや、間接目的語代名詞がいつも引っ付いているので、やっぱり活用5個か10個(gusta5個+gustan5個)は覚えた方がいいです…
直訳 | 意訳 | |
Me gusta el té negro. | 私にとって紅茶が好きです。 | 私は紅茶が好きです。 |
Te gusta el té negro. | 君にとって紅茶が好きです。 | 君は紅茶が好きです。 |
Le gusta el té negro. | あなた(彼、彼女)にとって紅茶が好きです。 | あなた(彼、彼女)は紅茶が好きです。 |
Nos gusta el té negro. | 私達にとって紅茶が好きです。 | 私達は紅茶が好きです。 |
Les gusta el té negro. | あなた方(彼ら、彼女ら)にとって紅茶が好きです。 | あなた方(彼ら、彼女ら)は紅茶が好きです。 |
直訳 | 意訳 | |
Me gustan estos zapatos. | 私にとってこれらの靴が好きです。 | 私はこれらの靴が好きです。 |
Te gustan estos zapatos. | 君にとってこれらの靴が好きです。 | 君はこれらの靴が好きです。 |
Le gustan estos zapatos. | あなた(彼、彼女)にとってこれらの靴が好きです。 | あなた(彼、彼女)はこれらの靴が好きです。 |
Nos gustan estos zapatos. | 私達にとってこれらの靴が好きです。 | 私達はこれらの靴が好きです。 |
Les gustan estos zapatos. | あなた方(彼ら、彼女ら)にとってこれらの靴が好きです。 | あなた方(彼ら、彼女ら)はこれらの靴が好きです。 |
直訳をしつこく書いたのは、こういう言い方をする、というのを覚えてもらいたかったからです。「何かが好き」と言いたいときは「私にとって好き」⇒「Me gusta」だったな、というのを思い出してもらえれば…「gustar」は間接目的語の動詞だということを。
「私」、「君」、「私達」を強調したい場合は間接目的語代名詞「me」、「te」、「nos」にそれぞれ、「a mí」、「a ti」、「a nosotros」または「a nosotras」を付け加えます。
A mí me gusta la cerveza. | 私はビールが好きです。 |
A ti no te gusta la cerveza. | 君はビールが好きじゃない。 |
Nos gusta la cerveza a nosotros. | 私たちはビールが好きです。 |
間接目的語代名詞の「le」と「les」の場合は、誰のことを言っているのかが分からない時は、意味をはっきりさせるために、前置詞「a」+「誰々」という情報を付け加えることができます。
A Lupe y a Ricardo les gusta viajar. | ルーペとリカルドは旅するのが好きです。 |
¿Le gusta a usted viajar? | あなたは旅するのが好きですか? |
A todos les gusta viajar. | 彼ら皆、旅するのが好きです。 |
Al maestro le gusta viajar. | 先生は旅するのが好きです。 |
「先生」は「el maestro」ですが、前置詞「a」+「el」で「al」となっています。
間接目的語代名詞「me、te、le、nos、les」は、前置詞「a」+「誰々」という情報を付け加えたからといって省くことはできません!
「A todos」の中に自分も入る場合は「A todos nos gusta viajar」と言うこともできます。
me gusta の意味と活用・まとめ
「好き」とか「嫌い」って、会話でよく使います。でも、スペイン語の「好き」、「嫌い」は日本語や英語の言い方と違うので慣れるまではちょっと難しく感じてしまうかもしれません。慣れの問題だと思います。
「gustar」のような「間接目的語の動詞」は他にもたくさんあります。それらを難なく理解できるようになるためにも、「me gusta」、「me gustan」は使いこなせるように書いたり、声に出して言ってみたりしてみてください!
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