スペイン語では、形容詞を中性的な意味合いに名詞化するときに、冠詞中性形の「lo」を形容詞の前に付けます。また、形容詞の前に定冠詞が付いているときも、その形容詞は名詞化されています。
lo + 形容詞
「lo」は直接目的語として使われることもありますが、形容詞の前に付いている場合は直接目的語ではなく、冠詞の中性形としての「lo」となります。同じような使い方に「lo que」があります。
「同じこと」や「重要なこと」や「唯一のこと」など、抽象的に「~のこと」と形容詞と組み合わせて言いたいときは「lo」を形容詞の前に置きます。よく使われる表現です。
Es lo mismo si compras aquí o en la otra tienda. | ここで買っても違う店で買っても同じことだよ。 |
Lo importante es que no se te haga tarde. | 重要なことは君が遅れないことだよ。 |
Lo único que quiero es tu amor. | 僕(私)が欲しい唯一のものは君の愛だ。 |
Ahora viene lo mejor. | 今、一番いいことが来る(始まる)よ。 |
定冠詞 + 形容詞
スペイン語の定冠詞(el, la, los, las)の次に形容詞が来ている場合は形容詞が名詞化されています。同じ名詞を繰り返し使わないためによく使われます。
¿Quiere Ud. el vino blanco? No, el tinto, por favor. | 白ワインをお望みですか?いいえ、赤いのをお願いします。 |
Fuimos a dos fiestas. La primera nos gustó mucho. | 私たちは二つのパーティーに行きました。最初のがとても気に入りました。 |
Los paquetes grandes son para ti. El pequeño es para mí. | 大きい包みは君あてです。小さいのは私あてです。 |
Estas flores son para la boda y las otras son para los invitados. | これらの花は結婚式用で、他のは招待客用です。 |
Lo más pronto posible
「lo más」や「lo mejor」は比較級の副詞節となることもあります。
Vinieron lo más pronto posible. | できるだけ早く彼らは来た。 |
Hice lo mejor que pude. | 私はできうる限りの最善を尽くしました。 |
Voy a salir de la casa lo más temprano posible. | 私はできるだけ早く家を出るつもりです。 |
El señor nos está ayudando lo mejor que puede. | その人はできる限り私たちを手伝ってくれています。 |
スペイン語の lo + 形容詞・まとめ
「lo + 形容詞」で形容詞が名詞化されます。例えば「lo mismo」と言ったら「mismo(同一の)」という形容詞が名詞化されて「同じこと」という意味になります。「lo」は「こと」と訳せます。
「定冠詞 + 形容詞」も形容詞が名詞化されます。こちらは名詞化された「物」や「人」が男性名詞か女性名詞か、単数か複数かによって定冠詞も形容詞も変化します。例えば、「Yo quiero la misma.(私は同じ物が欲しいです)」と言ったら「la misma(同じもの)」とは「la fábrica(布)」かもしれないし、「la pelota(ボール)」かもしれないし、前の人が欲したのと同じ女性名詞のもの、ということになります。
「lo más ...」や「lo mejor ...」は比較級の副詞節であることもあるので、こちらの記事に一緒に載せておきました。「lo más pronto posible(できるだけ早く)」などはよく使われる表現です。
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