スペイン語には「強調の se 」というものがあります。comerse のように再帰代名詞が伴われるので再帰動詞といってしまってもいいですが、この「強調の se 」の場合は再帰代名詞を取り除いてしまうこともできます。「強調の se 」と言っていますが、再帰代名詞 me, te, se, nos, se すべてが主語によって強調の意味を持ちます。
「強調の se 」は会話に、より豊かな表現を加えることができます。話している物の量を強調したい時に使われます。
動詞の echar は「投げる」、「放り出す」、「注ぐ」、「追い出す」などの意味ですが、echarse a reír で「笑い出す」、 echasrse a correr で「走り出す」で、前置詞 a と不定詞(動詞の原形)とともに、「~し始める」という意味で使います。ほとんど無意識のうちに突然起こる動作を意味します。
また、無意識ではないですが、echar a andar el motor で「エンジンをかける」という意味になります。
perder と組み合わさって echarse a perder だと「腐る」、「ダメになる」という意味になります。
Todos se echaron a reír al oír el chiste.
笑い話を聞いた途端、みんな笑い出しました。
Si me encontrara con un oso, me echaría a correr.
熊に遭遇したら私は走り出すでしょうね。
Eché a andar el coche.
私は車を始動させました。
Se echó a perder la leche.
牛乳は腐りました。
¿Por qué le dijiste eso al director? Echaste a perder todo el plan.
君はどうしてそれをディレクターに言ったんだ?計画全部ダメにしたよ。
echar を使ったその他の表現
echar を使ったその他のよく使う表現をご紹介します。echar de menos は「いなくて寂しい」など、いないことでダメージを受けているような時に使います。echar ganas は直訳すると「意欲を投げ込む」ですが「頑張る」という意味で使います。echar una mano は「助ける」、echar una mirada は「ちらりと見る」、echarse para atrás は「尻込みする」という意味です。
Cómo te echo de menos.
どんなに君がいなくて寂しく思っていることか。
Échale ganas.
君は頑張れよ。
¿Me puedes echar una manita con mi tarea, por favor?
Me empezó a atraer su cultura cuando visité ese lugar por motivos del trabajo.
私は仕事の理由でその場所を訪れた時、その文化に魅せられ始めました。
No creo que empiecen a construir dentro de un año.
私は1年以内に(彼らが)建設し始めるとは思いません。
echarse a ~などのスペイン語の表現・まとめ
echarse a reír は「笑い出す」、echarse a correrは「走り出す」で、無意識のうちにとっさに笑い出したり走り出す時に、「echarse a + 不定詞」で「~し始める」という意味で使います。「~し始める」は他に 「ponerse a + 不定詞」や「empezar a + 不定詞」も無意識でない場合も含め、使います。
「echarse a + 不定詞」は不定詞の動詞によって「~し始める」以外の意味もあります。echar を使ったよく使うその他の表現についてもご紹介いたしました。ぜひ使ってみてくださいね。
この記事ではスペイン語の me parece ~や se me hace ~といった表現の仕方を例文をご紹介しながら見ていきます。
me parece ~
me parece ~、 te parece ~、 le parece ~、 nos parece ~、 les parece ~、は間接目的語代名詞を伴って、「~に思える」という意味でよく使われる表現です。「思う本人」を間接目的語代名詞で表します。主語は「思える物」です。後ろには、bien などの副詞、形容詞、名詞、不定詞(動詞の原形)、また que ~と文章が来ることがあります。間接目的語代名詞なしで無人称文として使われることもあります。
se me hace ~、se te hace ~、se le hace ~、se nos hace ~、se les hace ~、も me parece ~などと同じような意味で「~な気がする」と、あまり強くない意見として会話でよく使われます。ただ、me parece ~などと全く同じ使われ方をするというわけではなく、「どう思う?」と聞く時は¿Qué te parece?, ¿Qué piensas?, ¿Qué opinas?などを使って se te hace は使いません。
Se me hace que me estás ocultando algo.
私は君が私に何か隠しているような気がします。
A mí se me hace que tú eres el causante de todo esto.
私には君がこれすべての原因であるように思えます。
¿No se te hizo raro al ver que cojeaba él?
君は彼がびっこをひいていたのを見て、変だと思わなかったの?
A Roberto se le hace muy difícil la clase de álgebra.
ロベルトは代数の授業がとても難しい気がしています。
尚、「~と思う」という意味とは別に、「遅くなる」という意味もあります。
Se nos hizo tarde.
私たちは遅くなってしまいました。
me parece などのスペイン語の例文
この記事では、creer や pensar、opinar、considerarの動詞のように、意見を表す動詞だけれど、それほどはっきりとした意見というわけではない me parece や se me hace などの使い方を例文を挙げてご紹介しました。
知覚動詞とは、ver(見る)、oír(聞く)、sentir(感じる)などの五感を表す動詞です。その動詞の後ろに que が来て、その後ろに従属節を伴って、知覚動詞の主語となる人の意見、思うところを相手に表すことができます。五感を通しての気づきを相手に対して表明、伝えることなので、第一人称が主語であることが多いです。
「sentirse」の第三人称単数形と複数形の点過去は「se sintió, se sintieron」、接続法現在の第一人称複数形は「nos sintamos」、接続法過去は「me sintiera, te sintieras, se sintiera, nos sintiéramos, se sintieran」、現在分詞は「sintiendo」で語根の母音が変化します。
「huir」を例にとると、直説法現在形は「huyo, huyes, huye, huimos, huyen」で、「私たち」以外は語根に y が付け加わっています。他の動詞もこのように「私たち」以外は語根に y が付け加わります。 点過去の第三人称単数形と複数形は「huyó, huyeron」となってi が y に変化しています。他の動詞も点過去の第三人称単数形と複数形では同じような変化をします。
命令形は「huye, no huyas, huya, huyan」で、y が入った変化をしています。他の動詞も命令形では同じような変化をします。
接続法現在は「huya, huyas, huya, huyamos, huyan」で、やはり、同じように y が入って変化しています。他の動詞も接続法現在では同じような変化をします。接続法過去も「huyera, huyeras, huyera, huyéramos, huyeran」で y が入って変化しています。他の動詞も接続法過去では同じような変化をします。現在分詞は「huyendo」でやはり i が y になっています。他の動詞でも同じような変化をします。