ここでは、過去未来形(可能法)を使って過去の推測を表した疑問文を投げかけられた時の答え方についてみていきます。「~に違いない」といった表現の仕方などです。また、現在の推測についてもみていきます。「sería」と「será」の違いがわかるようにしています。
スペイン語での過去の推測の表し方
スペイン語の過去未来形にはいろいろな用法がありますが、その中で「過去における疑問や推測」を表す用法があります。例えば次の例文のような使い方ができます。
¿Qué hora sería cuando vine aquí? |
私がここに来たのは何時だっただろう? |
No sé qué hora era. |
何時だったか私はわかりません。 |
Eran las once de la noche. |
夜の 11 時でした。 |
答えの文は二つとも推測ではないので線過去になっています。
過去の推測を表す文の場合はいくつかの言い方があります。
Serían como las once de la noche. |
夜の 11 時頃だっただろう。(過去未来) |
Han de haber sido como las once de la noche. |
夜の 11 時頃だったに違いない。 |
Deben de haber sido como las once de la noche. |
夜の 11 時頃だったに違いない。 |
Habrán sido como las once de la noche. |
夜の 11 時頃だっただろう。(直説法未来完了) |
Habrían sido como las once de la noche. |
夜の 11 時頃だっただろう。(過去未来完了) |
「Han de haber sido」の「Han」は動詞「Haber」現在形第三人称複数形です(主語が 11 時で複数なので)。「Haber」の現在形活用、未来形、過去未来形は以下のようになります。
現在形 |
未来形 |
過去未来形 |
he |
habré |
habría |
has |
habrás |
habrías |
ha, hay |
habrá |
habría |
hemos |
habremos |
habríamos |
han |
habrán |
habrían |
現在形第三人称単数形を使う場合は、この場合、「ha」の方を使います。
「sido」は動詞「ser(である)」の過去分詞です。
未来完了は動詞「haber」の未来形+主動詞の過去分詞で「~だっただろう」という意味になります。
過去未来完了は動詞「haber」の過去未来形+主動詞の過去分詞で「~だっただろう」という意味になります。
また、動詞「Deber」の現在形、または動詞「Haber」の現在形+de + haber + 主動詞の過去分詞でも「~だったに違いない」という意味になります。
スペイン語での現在の推測の表し方
また、未来形には現在の疑問、推測を表す用法があります。例えば次の例文のような使い方ができます。
¿Qué hora será ahorita? |
今何時だろう? |
No sé qué hora es. |
私は今何時か知りません。 |
Son las once. |
11 時です。 |
答えの文は二つとも推測ではないので普通の現在形になっています。
現在の推測を表す表現は以下のようになります。
Serán las once. |
11 時かもしれません。 |
Han de ser las once. |
11 時じゃないかな。 |
Deben de ser las once. |
11 時のはずだよ。 |
現在の推測を表すには未来形を使うか、動詞「haber」の現在形(hayを除く)+de +主動詞の原形(不定詞)、または動詞「deber」の現在形+de +主動詞の原形(不定詞)という言い回しを使うことができます。
スペイン語での過去と現在の推測の表し方・まとめ
推測を表す表現では動詞「ser」を例にとると、過去未来形の「sería」は過去における疑問や推測を表し、未来形の「será」は現在における疑問や推測を表します。
また、やはり動詞「ser」を例にとると、「Ha de haber sido ~」は「~だったに違いない」という意味になり、「Ha de ser ~」は「~に違いない」となります。
「Debe de haber sido ~」が「~だったに違いない」で、「Debe de ser ~」は「~に違いない」という意味になります。
その他、過去の推測には未来完了や過去未来完了(可能法完了形)を使うこともあります。
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ここではスペイン語の過去未来形の活用とその例文及び意味を載せています(過去未来形のことを可能法と言う場合もあります)。なぜ過去未来と呼ばれるかというと、過去から見た未来を表すことができる形だからです。
スペイン語の過去未来形の活用
規則動詞は不定詞(動詞の原形)に以下の語尾が付け加えられます。-ar動詞、-er動詞、-ir動詞全部同じです。
|
不定詞に接続する語尾 |
例ーllegar(着く)の場合 |
私は |
ía |
llegaría |
君は |
ías |
llegarías |
あなた(彼、彼女)は |
ía |
llegaría |
私たちは |
íamos |
llegaríamos |
あなた方(彼ら、彼女ら)は |
ían |
llegarían |
不規則動詞は未来形で不規則だったものと同じです。
TENER(持つ) |
PONER(置く) |
SALIR(出る) |
VENIR(来る) |
tendría |
pondría |
saldría |
vendría |
tendrías |
pondrías |
saldrías |
vendrías |
tendría |
pondría |
saldría |
vendría |
tendríamos |
podríamos |
saldríamos |
vendríamos |
tendrían |
pondrían |
saldrían |
vendrían |
VALER(価値がある) |
QUERER(欲する) |
SABER(知っている) |
PODER(できる) |
valdría |
querría |
sabría |
podría |
valdrías |
querrías |
sabrías |
podrías |
valdría |
querría |
sabría |
podría |
valdríamos |
querríamos |
sabríamos |
podríamos |
valdrían |
querrían |
sabrían |
podrían |
HABER(ある、いる) |
CABER(入る) |
HACER(する、作る) |
DECIR(言う) |
habría |
cabría |
haría |
diría |
habrías |
cabrías |
harías |
dirías |
habría |
cabría |
haría |
diría |
habríamos |
cabríamos |
haríamos |
diríamos |
habrían |
cabrían |
harían |
dirían |
過去未来形の例文と意味
スペイン語の過去未来形には次のような用法があります。
- 過去から見た未来
- 過去における疑問や推測
- 丁寧な表現
- 婉曲な表現
- 「~すべき」という表現(Deberの過去未来+不定詞)
- 感情を表す間接目的語の動詞の仮定や可能性(現在や未来)
- 未来の可能性
1 |
Él me dijo que llegaría al atardecer. |
彼は夕方には着くだろうって僕に言ったよ。 |
2 |
¿Qué hora sería cuando me quedé dormida? |
私(女)が寝ちゃった時は何時だっただろう? |
3 |
¿Me podría usted por favor ayudar a cambiar la llanta del coche? |
車のタイヤを交換するのを手伝っていただけますでしょうか? |
4 |
Yo no compraría ese vestido. |
私だったらその洋服は買わないわね。 |
5 |
No deberías hablar así de tu familia. |
君はそんな風に君の家族のことを言うべきではないよ。 |
6 |
Me gustaría visitar a tus amigos. |
私は君の友人たちを訪れてみたいです。 |
7 |
Yo sí iría si vienes conmigo. |
君が私と一緒に来てくれるなら私は行くでしょうね。 |
未来の可能性は通常「si ~」などと、条件が付いた時に使います。可能性が低い場合の条件文には、通常接続法過去を使います(si vinieras)。
Me gustaría que ~などと、複文になる場合の例文はこちらの記事をご覧ください。
現在や未来の可能性についての考えを言う場合にも過去未来を使います。
↑詳しくはこちらの記事をご覧ください。
ちなみに現在における疑問や推測は未来形を使います。
スペイン語の過去未来・まとめ
過去未来形、いろいろな使い方がありますが、どれもよく使います。「~すべき」の表現は「deber」の現在形で代用することができます。丁寧な表現の「¿Podría +不定詞?」は覚えておくといい表現ですね。「Me gustaría +不定詞」も会話で重宝する表現です。
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