「tanto」の意味は「そんなにも」、「そんなに」、「こんなに」です。「そんなにも多くの」という意味だと「多くの」という意味の「mucho」と混同しやすいですが、「tanto」というのは比較の対象となるものがあります。歌詞などでは略されている場合も多いですが、「tanto que ~」と「que」の後の文章が比較の対象となり、「~するくらい」という意味になります。文章でない名詞の場合は「tanto como ~」で「~と同じくらいに」という意味になります。
また、「tanto 名詞 como」という形の場合は名詞の同等比較になります。詳しくは次のセクションで解説いたします。
「tanto」を使ったよく使う言い回しも例文で上げています。
El taxi va a llegar en quince minutos. Mientras tanto, me voy a cambiar de ropa.
タクシーは 15 分で到着する。その間、僕は着替えるよ。
No tengodinero. Por lo tanto, no voy a poder ir de viaje.
私はお金がない。だから旅行には行けない。
「Tanto te quiero」は「Te quiero tanto」と言っても同じです。
「me voy a cambiar」は再帰動詞の「cambiarse」を未来形(ir a 動詞)にしています。
スペイン語の名詞の同等比較
形容詞の同等比較は「Soy tan alta como mi mamá.(私はお母さんと同じくらい背が高い)」のように「tan 形容詞 como」となります。
形容詞ではなく、名詞の同等比較の場合は「tanto 名詞 como」になります。が、この場合の「tanto」は上記の四つの例文の「tanto」と違って「形容詞」となるので、名詞の性や数によって次のように変化します。
「tanto 男性名詞単数形 como」、「tanta 女性名詞単数形 como」、「tantos 男性名詞複数形 como」、「tantas 女性名詞複数形 como」。
「máximo」「mínimo」は数学では「最大値」「最小値」などで使われる他、「mínimo」は「最低支払額(mínimo a pagar)」などでも使われます。
「bueno(良い)」と「malo(悪い)」の最上級に限っては、「óptimo」や「pésimo」という言い方よりも、「lo mejor」や「lo peor」という言い方の方が使われます(el mejor, la mejor, los mejores, las mejoresも)。
他の4つも、最上級の「supremo」「ínfimo」「máximo」「mínimo」という言葉より、相対最上級「el más alto」「el más bajo」「el más grande」「el más pequeño」という言い方の方が一般的です(性や数によって「la más alta」などと変化します)。
絶対上級などまとめ(副詞の最上級についても)
形容詞の絶対上級(altísimaーめっちゃ背が高い)をみてみましたが、この言い方、副詞にも使われることがあります。「mucho(たくさん)」は「muchísimo(すっごいたくさん)」という意味でよく使われますし、その他にも以下のようなものがあります。
rápido (速く)→ rapidísimo
lejos (遠くに)→ lejísimo (不規則形)
tarde (遅く)→ tardísimo
cerca (近く)→ cerquísima (不規則形)
ただし、副詞の場合は性や数による変化がありませんので、ご注意ください。
また、形容詞と同じように、どの副詞にも「ísimo」を付けられるわけではありませんので、わからないときには「muy bien(とても良く)」のように、副詞の前に、「muy, extremadamente, sumamente, demasiado」を付けるといいと思います。
ちなみに、形容詞の相対最上級(優等)は「定冠詞 + más + 形容詞」でしたが、副詞の相対最上級(優等)は、「定冠詞 + que + 動詞 + más + 副詞」になります。「el que corre más rápido(一番早く走る人(物)」のような感じです。
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スペイン語の形容詞の比較級には三つの種類があります。
優等比較:más・・・ que~(~よりもっと・・・)劣等比較:menos・・・que~(~より少なく・・・)同等比較:tan・・・como~(~と同じ位・・・)
同等比較は「igual de ・・・que~」と言うこともあります。
「・・・」のところに形容詞が入ります。形容詞はかかる名詞の性や数によって変化します。
優等比較の方が劣等比較より使用される頻度が高いです。例えば、
Este vestido es menos caro que aquél.(この服はあれより安いです)と言うより、
Este vestido es más barato que aquél.(この服はあれより安いです)と言うことの方が普通ということです。
または、Aquel vestido es más caro que éste.(あの服はこれより高いです)と言うかもしれません。
優等比較
以下に形容詞の優等比較を使った例をあげます。
Ella es más chica que yo. Ella es menor que yo.
彼女は私より若い(小さい)です。
Mi papá es mayor que mi mamá.
私の父は私の母より年上です。
El gato es más grande que el ratón.
猫はねずみより大きいです。
Ese coche es mejor que el mío.
その車は私のよりいいです。
さて、「más」が付いていない比較級がありますね。比較級で形容詞が変化する場合があるからです。
「chico, chica, chicos, chicas」は大きさが小さいという意味と年齢が小さいという意味があります。年齢がより若いという場合は「más chico, más pequeño, más joven」などとなりますが、比較級の形容詞「menor」を使うこともできます。
「menor」の反対語が「mayor」で「より年上」という意味で「más grande」と同じです。
また、「良い」という意味の「bueno」は比較級で「mejor」に変化し「より良い」という意味になり、「más bueno」とは言いません。
「mejor」の反対語は「peor」で「より悪い」という意味で、これも「más malo」とは言いません。
スペイン語の形容詞の比較級についてでした。
Juan es más simpático que Antonio. (フアンはアントニオより感じがいい)
Juan es peor que Antonio. (フアンはアントニオよりひどいです)
Juan es menos desagradable que Antonio.(フアンはアントニオよりはましです)
desagradable:嫌な
Juan es tan guapo como Antonio. (フアンはアントニオと同じ位ハンサムです)
Juan es igual de alegre que Antonio. (フアンはアントニオと同じに愉快です)
「よりもっと~」と言う場合、形容詞が変化して「más」が必要ないものがあるのでそれは覚えてください。
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