「La mañana」というのは「朝」という意味です。「La mañanita」というのは「朝」に縮小語尾が付け加えられた形でこの場合、朝に対して愛情が込められています。「Las mañanitas」というのは、その複数形です。
「これらは、ダビデ王が歌っていたラス・マニャニータスです」ということで、ここではラス・マニャニータスを「すがすがしい朝の歌」と訳しました。歌の状況としては、好きな女性のお誕生日の朝に、女性の窓辺に来て歌を捧げている(セレナーデ)という感じです。ちなみにセレナーデのことをスペイン語ではserenata(セレナータ)と言います。
好きな女性のお誕生日の朝に、マリアッチの楽団を率いて彼女の窓辺に歌を捧げにきている男性を想像していただけるとありがたいです。ついでに、メキシコの家の窓には泥棒が入らないように鉄格子(rejas)が付いているのも想像していただけますか?
さて、ダビデ王とは、紀元前1,000年位の聖書に出てくるイスラエルの王様のことですよね?メキシコで最もポピュラーな歌に、なんでイスラエルの王様が出てくるのでしょうか?
ダビデ王のときは王国も繁栄して、理想的な王様だったそうですが、それだけでなく、この王様、詩も書いて、詩を書いたら家来たちに毎朝歌っていたとか。でも、ラス・マニャニータスを歌っていたかどうかは疑わしいですよね。
この「Las mañanitas」という歌、19世紀には確かにあった形跡が残っていて、でもそのときには歌詞に「el rey David」は入っていなかったそうです。
その後、1914年、メキシコ人のManuel Ponceがこの歌を編曲して世に広めることに貢献したようで、このManuel Ponceが歌詞を変えたんじゃないかという意見もあってありえるかな、と思っています。
それから、お誕生日のことはスペイン語で「cumpleaños」と言います。「día de tu santo」というのは「君の聖人の日」です。キリスト教圏の人たちは大抵、聖人(santo)の名前が付いています。自分の名前の日というのがあって、(例えばdía de San Pedroとか día de San Angel とかdía de Santa Martaなど)お祝いをします。
昔は、生まれた日の聖人の名前をその赤ちゃんの名前にしていたのかもしれません。だからお誕生日と名前の日が同じ日だったのかもしれません。今はお誕生日と名前の日と両方祝う人もいますが、お誕生日だけ祝う人の方が大半だと思います。
「cantamos」と「cantan」が出てきますね。動詞cantar(歌う)の現在形です。
「pájaro」というのは鳥のことで、その言葉に縮小語尾が付いた形が「pajarito」です。この場合、「小さい」という意味が加わって「小鳥」という意味になります。
「mi bien」というのは「愛する人」と訳しましたが、普段は使われません。
「se metió」というのは「入り込んだ」という意味です。
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